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彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト結果

Result announcement

第11回 彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト

「埼玉を彩る農業・農村の水土里(みどり)」をテーマとして開催された「第11回 彩の国 農業・農村景観フォトコンテスト」の

審査結果を発表いたします。応募作品295点から、審査委員長として写真家の吉田功氏による最終審査が行われ、水土里ネットさいたま会長賞をはじめとした各賞が決定しました。

写真展のお知らせ

入選作品

【水土里ネットさいたま
会長賞】

農を守る -熊谷市-
タイトル 農を守る -熊谷市-
受賞者 橋本 武男(長瀞町)
撮影者コメント 現在でも田舎の風景が残っていました。
講評 演出してもこれほど見事に決められないくらいの作品になりました。
古木の紅葉とお地蔵様、笠をかぶった農夫、構図も良く、人物の大きさも過不足なくて
素晴らしい作品になりました。
撮影した時間帯もこの場の空気感を表現するのに最適でした。
偶然出会わせた場所ではなく、日頃からのお気に入りのポイントだったのでしょうね。

【さいたま土地改良推進協議会会長賞】

タイトル 収穫祭 -さいたま市-
受賞者 堀越 力男 (さいたま市)
撮影者コメント さいたま市見沼田んぼでも農業を嬉しんで体験しております。
講評 秋日和の一日。高く持ち上げられた稲穂がこの作品を強いものにしました。
家族での収穫でしょうか、それぞれに異なる動きがあって、集団でする稲刈りとは趣が
違いますね。背景に副都心のビル群を小さく入れたのも成功しました。
シャッターチャンスも良くて、爽やかな作品になりました。

【川越土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 親子で田植 -川越市-
受賞者 寺澤 俊博 (狭山市)
撮影者コメント 毎年、JA主催で実施されている家族及び親子で参加できるイベントです。
田植えから稲刈りまで、田んぼ体験可能。
講評 広角レンズを上手に使いました。カメラポジションも良かったですね。
作者もこの人たちの仲間なのでしょうね。ここまで接近して撮るのは難しいと思います。
田植をする人たちの奥行、上部立ち姿の人物、下部の苗、右側の少年の腰の部分など、
どれをとってもギリギリのフレーミングに実力を感じました。
それだけにプリントにもう一工夫欲しかったですね。

【東松山土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 夕暮れに染まる田園 -川島町-
受賞者 橋本 英男 (川越市)
撮影者コメント 今日一日の農作業を終えてホッと一息。
西の空を見上げると夕日に照らされた田園が夕焼け色に染まっていました。
講評 典型的な農村風景になりました。
小さく映った人物ですが、この人がいなければ、ただの夕景色になるところでした。
全体の構成も良く、太陽を入れずに撮ったこともこの作品を強くしました。
レタッチで作った田園作品でないことを祈ります。

【秩父土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 虫送り -皆野町-
受賞者 町田 正雄 (美里町)
撮影者コメント 今ではあまり見られなくなった虫送り。この地では連綿と伝統が守られている。
講評 かつては県内各地で行われていただろう虫送りの行事です。
今では皆野町の「虫送り」が唯一のようですね。夏草の生い茂る田舎道をゆく行列。
山間部で営農を継承する人たち。竿の先を大きく揺らしていることで、
参列者の意気込みを感じます。

【本庄土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 玉ねぎ収穫 -本庄市-
受賞者 荻野 利夫 (熊谷市)
撮影者コメント 家族で玉ねぎを収穫する姿と赤と白のバランスが良いです。
講評 家族ならではの四人四様の分業ですね。
手前から奥までフレーミングを無駄なくまとめました。
ネットの赤が右に寄り過ぎて重くなるところでしたが、左の女性らしき人物を一番
手前に置いたことでバランスが取れました。広角レンズを上手に使いましたね。

【大里土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル オクラ畑は花盛り -深谷市-
受賞者 渡辺 明洋 (さいたま市)
撮影者コメント 陽がかげって夕方になると、オクラの花がひときわあざやかさを増してきました。
講評 野菜の花とは思えないほどオクラの花は美しいですね。
望遠レンズを使ったことで花がクローズアップされました。
陽の陰った時間帯に撮影したことで、花周辺の実や蕾も描写されました。
後方の人物がいない時を狙って撮れるとさらに良い作品になりました。

【加須土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 家路 -行田市-
受賞者 大澤 三男 (越生町)
撮影者コメント 夕焼けの田んぼの写り込みが美しい。
講評 夕方の良いタイミングで撮ることが出来ました。
あぜ道を行く農夫の前かがみになった姿が田んぼに写り、典型的な農村風景となりました。
咄嗟のことで、車両すべてを写そうとしたため、人物がやや左に寄り過ぎたのが
惜しまれます。

【春日部土地改良推進協議会
会長賞】

タイトル 収穫の秋の風物詩 -杉戸町-
受賞者 大山 敏 (入間市)
撮影者コメント もみ殻を焼く香りを嗅ぐと、収穫の終った安堵感が伝わります。
講評 もみ殻の山に煙が上がり、作業もピーク時を感じさせます。
右から中央に伸びる高圧線。左下に置いたもみ殻。
右下の刈り取った跡など、構図的にもまとまりのある作品になりました。
奥に見える鉄塔などもこの町の特色を表していました。

【入選
(水土里ネットさいたま)】

タイトル 日の出の収穫 -狭山市-
受賞者 小澤 陌雄 (狭山市)
撮影者コメント 農作業に励んでいる農家さんへおいしい野菜ありがとう。
講評 立派な大根の収穫作業です。
人員の配置や作業の様子を見ると家族総動員でしてるのかなと思われます。
画面に広がりがあり、早朝の軟らかい光が大根の白トビを防ぎました。
左右に無駄のないフレーミングも適切でした。

【入選
(水土里ネットさいたま)】

タイトル 田植え前の田んぼで宝探し -小川町-
受賞者 田中 幸男 (小川町)
撮影者コメント 学校行事として水稲栽培をしている代掻きの時、大根や人参を宝に例えて
宝探しをする子供達の元気な姿を撮影。
講評 ハイアングルからの撮影で子どもたちの周りが、水田の水だけになり、
シンプルな作品になりました。後ろの少年の額の部分から上をフレームアウトにした
大胆な構図や二人の手の動きなど、ベテランらしい観察力が生きています。

【入選(さいたま)】

タイトル 次世代につなぐ -上尾市-
受賞者 田中 幸男 (小川町)
撮影者コメント 豊作満作と悪疫退散を願う泥んこ祭り。子供も参加して、継承していく。
講評 泥んこ祭りの作品はかなり拝見する機会がありますが、
子どもたちが参加しているのを見るのは初めてです。
民家の庭に水を撒いて泥んこ状態を作り、神輿を転がしてもみ合います。
昔から伝わる神事が継承される大切さ。黄色い声が聞こえてきそうですね。

【入選(川越)】

タイトル 厳寒の朝 -狭山市-
受賞者 石山 敬 (入間市)
撮影者コメント 初雪の朝、裏の畑(市街化調整区域)へ行って、日の出を待った。輝く積雪が・・・。
(左先が入間飛行場)
講評 日の出を待ったことが、成功しました。朝夕の冬の光はオレンジ色に染まります。
野菜を保護するビニールの表面が斜光でプリズムが生まれたのも、
この作品を強くしました。中央下のゴーストはフード使用やカメラアングルで
逃げられたかもしれませんね。

【入選(東松山)】

タイトル おいしい -滑川町-
受賞者 齋藤 勝治 (滑川町)
撮影者コメント 外で立ち食い一味違う。
講評 子どもたちには、夏休みのいい思い出になりましたね。
スイカは家で食べるより、外で大勢で食べる方がおいしいですね。
何かのイベントでしょうか。同年代の子が揃っています。
左のトラックと人物を一人大きく扱ったことでこの場の雰囲気が出ました。

【入選(秩父)】

タイトル 小鳥たちの楽園 -秩父市-
受賞者 松本 太守 (秩父市)
撮影者コメント 畑の草むらは小鳥たちの楽園
講評 すずめは、人間の生活の場に一番近い生き物とされていましたが、
最近はあまり見かけなくなりました。畑の草むらで、集団で虫や草の実を
食べていたのですね。人間の生活様式の変化が、すずめたちの生態系を
変えてしまったのを感じました。

【入選(本庄)】

タイトル 百八塚が灯る日 -美里町-
受賞者 早野 由香 (さいたま市)
撮影者コメント 1年に1回、毎年八月十五日に百八燈が行われ、うつくしい夜景が見られます。
講評 夜間撮影ですが、ストロボを使わずに撮ったことで、塚に灯る火が効果的でした。
上部を夜空だけでなく、樹木の葉を入れたことで、人の目を塚に引き付けました。
この百八塚は、塚信仰と武蔵七党の猪俣氏に由来するのですが、
地域に強く根差しているようですね。

【入選(大里)】

タイトル 大杉様あばれ神輿 -熊谷市-
受賞者 蛭川 隆市 (熊谷市)
撮影者コメント 利根川に神輿入れて人間が上にあがってもみあいます。
講評 神輿の向こうの警備の舟を避けきれませんでしたが、
のぼり旗の写りバランスが取れました。祭りの男たちが上がったり落とされたりの
素朴な祭りです。神社が水難守護の神として信仰されて、
数百の舟が接岸した歴史があるといわれています。

【入選(加須)】

タイトル ちょっと一休み -羽生市-
受賞者 佐藤 由雄 (羽生市)
撮影者コメント わら立ての作業中、手を休めて休憩した仕ぐさが目に入り、撮影させて頂きました。
講評 広く刈り取られた田んぼにわらを立てる作業。キリの良い所での一服。
タバコの火をつけている人物を対角線に置いたことで安定感が出ました。
軟らかい光線で稲わらを白トビさせずに描写出来たのですが、
右上の車が中途半端になりました。

【入選(春日部)】

タイトル 「水田の日の出」 -久喜市-
受賞者 斉藤 郁太郎 (久喜市)
撮影者コメント 水を張った水田に筑波山の日の出が写り込みシャッターを切りました。
講評 朝日が顔を出して間もなくの時にシャッターを切って成功しました。
丸くなってからでは、雰囲気が壊れるところでした。
わずかな水田の映り込み、太陽を中心よりやや右に寄せた手法など、確かな実力です。
前景のシルエットに恵まれれば上位になりましたね。

【審査委員長特別賞】

タイトル 桜の木の下で -飯能市-
受賞者 須藤 稔 (深谷市)
撮影者コメント 山の中で農業しているのに感銘。
講評 山間部で農業を営む人たちは、猪や猿、鹿などの被害が深刻です。
時折、猟銃会などに駆除の依頼をされるようですが、期待ほどの効果はないようです。
獣害対策用のフェンスを設置して自己防衛が現実です。
この作品のタイトルは視点が違うようですね。

【学生優秀賞】

タイトル 何をやいているのかな? -加須市-
受賞者 関口 実花 (久喜市)
撮影者コメント 柿の木をみつけたら、その下で何かをやいているエントツを発見しました。
焼きいもかな?
講評 色づいた柿がたわわに実り、秋も深まる田園地帯。
もみ殻の山に煙突が立ち、煙を上げれば焼き芋を連想するのもありかな。不
安な空模様の気象条件は、田園の広がりや奥行の表現にプラスしましたが、
主役は脇役より大きく撮るようにしましょう。

審査員紹介

写真家の吉田功氏

一般社団法人 日本写真作家協会(JPA)会員
一般社団法人 二科会写真部 会員
カルチャー吉田写真教室(飯能・坂戸・熊谷)

1944年 埼玉県飯能市生まれ
1984年 二科展入選
2002年 埼玉県写真サロン知事賞受賞
2003年 埼玉県写真サロン知事賞受賞
2008年 JPS展入選
2010年 二科展特選 会友推挙
2011年 埼玉県写真サロン特選 招待となる
2020年 二科会写真部会員推挙

1993年 個展「ふるさと飯能の詩」(飯能市・まるひろ百貨店)
1995年 個展「川越 彩・詩・季」(主催 埼玉新聞社 川越市・まるひろ百貨店)
2000年 個展「奥武蔵詩季彩」(飯能市・まるひろ百貨店)
2003年 個展「能仁寺点描」(飯能市制50周年記念・まるひろ百貨店)
2008年 個展「せんせい」(飯能市・まるひろ百貨店)
2013年 個展「廃校の行方」(日本写真企画)
2015年 個展「大滝小最後の1年」(新宿・ニコンサロン)
2015年 個展「大滝小最後の1年」(秩父市・矢尾百貨店)
2016年 吉田 功とそのグループ展 「福島は今」(ウェスタ川越 2F)
2018年 個展「一人きりの卒業生」(新宿・ニコンサロン)
2022年 個展「10人の生徒で始まった」(ニコンプラザ東京THE GALLERY)

1997年 住宅都市整備公団「ビッグヒルズ」パンフ・チラシ撮影
2000年 写真集『奥武蔵詩季彩』(日本写真企画)
2002年 飯能信用金庫カレンダー「奥武蔵逍遥」撮影
2003年 飯能市市制施行50周年記念 絵はがき撮影(発行・飯能市役所)
2013年 写真集『廃校の行方』(日本写真企画)
2015年 写真集『廃校・大滝小最後の一年』(日本写真企画)
2018年 写真集『廃校・12人の詩』(日本写真企画)
2022年 写真集『10人の生徒で始まった・なみえ創成小中学校』(日本写真企画)